町田メガネは治らない

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zoom RSS L.S.D10周年 ―ゲームを愉しむ能力を問う―

<<   作成日時 : 2008/08/17 17:58   >>

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「LSD」「ゆめにっき」の紹介を通して
ゲームの愉しみ方についてまだマイナーな概念を紹介します。

ゲームは、遊ぶだけではなく愉しむ事や浸る事も内包しています。
遊び方のあるゲームに馴れ、脳が硬直していませんか?

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LSDの表ジャケット


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ゆめにっきのスタート地点周辺



【LSDの衝撃】
今!今年!2008年と言えば!!
L.S.D発売十周年にあたります。(1998/10/22発売)

発売日当日に買ったわけではありませんが、ジャケ買いした数少ないゲームの一つです。
あまりにも面白く、何十時間もプレイした後に何人かの友達に貸していました。

貸しては行方不明になるので何回か中古屋で買い直していましたが
……とにかく安かった!

牛丼が食える程度の値段で売られていたことを思い出します。

しかし、今では高値が付いている有名なソフトの一つです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000069TV3/niconicoichiba-22/ref=nosim

久しぶりに遊びたいというか手元に置きたくなって秋葉原のスーパーポテト
(レトロゲームを中心とした家庭用ゲーム中古ソフト・ハード屋)に行ったときには……

……一万円を超えていました。バカな。
おまえら……あの当時見向きもしなかったくせに……


今所有しているのは、友人に譲ってもらったものです。
もつべきものは友達ですね。


【LSDとはどんなゲーム】
パッケージのオビに「こんなのゲームじゃない」等と怖いことを書いています。
自らを「ドリームエミュレーター」と称してます。

購入者に「敵はどこだよ?」「目的とかは無いの?」「エロくねーよ!」
等の不満を漏らさせないように事前に塞ぐ算段なのでしょう。

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LSDの裏ジャケット


このゲームは(ASMIK)アスミックという会社が出しているのですが
企画して、開発を外注にして実際できたものを改めた気持ちで確認すると
「やべーっす!これは市場にゲームとして売ったらブチ切れられますよ!部長!!」
と、なったがゆえのこのオビの文言なんでしょうね。

しかし「これはゲームではありません」とは書かず、架空の第三者の感想という形で
「こんなのゲームじゃない」と表現しているところを見ると本音では

「間違いなくこれはゲームです。でも、庶民にゲームとして受け取ってくれるだろうか?」

……と、いったところでしょうか。
広告展開上の文言に、開発者企画者の想い・苦悩が滲んでいるんでしょうね。


中身は、広大な世界が用意されていてそこを自由に歩き回るというものです。
いや、プレイしなくてもオープニングが秀逸で私は延々とテレビの前で
繰り返しオープニングを見ていたりもしました。


友達はあきれていましたが。


下記リンク先に、ゲーム中画面の一部があります。
http://www.osd.co.jp/ent/ent_page/ent10.html


■まずは、歩く。スタート地点は自宅のアパート。
ここから歩き回ってワープやセーブを繰り返していくとどんどん画面が狂っていきます。

普通のモルタルで出来たアパートの壁に、一面紫色の目玉がびっしりこびりついていたり
グランドキャニオンのような崖が、前面に渡って意味深な漢字で満たされていたり。


■いろいろ、出会う。キャラクターは豊富。
京都のような町に行けば巨大な顔のない舞妓さんが闊歩していたり
人間の内臓のような世界をミクロの決死圏的に散歩していると紙の相撲取りが相撲してたり。


■音楽は、最高。サイケ。
当時は音楽について知識が無く「誰が音楽担当?」とかには全く意識を向けませんでしたが
「KEN ISHII」等の有名な方が参加されているんですね。

今中古の値段が高いのも、ゲームCDと音楽CDの二枚がパッケージに入っているのですが
その音楽CDのほうが目当てで高いのかもしれませんね。
私のMP3プレイヤーにて、ヘビーローテーションしている曲の一つです。(60分で1曲)

■プレイの流れは「一日」という単位で。
アパートをスタートし、好きに歩き回っているうちに数分くらいで強制終了です。
そして、また自宅アパートの一室からスタートするのですが、時々
ムービーシーンかテキストのポエムシーンが流れます。


■ムービーとポエム
強制的に流れて「一日」が終わります。

その内容は基本シュールであり、時には激しくサイケデリックであり、
不条理で不安定な世界の一端のをゲームプレイとは違った形でプレイヤーに提示します。

■■ニコ動■■

動画サイトに、ムービーシーンだけを繋げたものが。
これを見てズキュンときたら、LSDをもりっと買っちゃってください。
定価は5040円なんですけどね。がんばって!



【アスミック】
LSDは当時のゲームと比較してあまりにも斬新でした。
プレイヤーに目的を提示せず、自身で世界を解釈し目的を考えなくてはいけません。

それが、このゲームの魅力でもあり弱点でもありました。
まっさらなパソコンを目的意識の無い人間に与えてもどうしようもありません。
それと似た話で、エンターティメントとして不親切とも確かに言えるでしょう。

しかし、それは既存の価値観と比較した話。

ゲームの愉しみ方のイノベーションを行い、個々のプレイヤーがそれぞれのオリジナルの
愉しみ方をアグレッシブに追求することを自体をエンターティメントにした
極めて革新的なゲームだったと言えます。

それをアスミックはわかった上で、購入者に誤解を招かない形で販売したのは
さすが、と言っていいのではないのでしょうか。

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アスミック
http://www.asmik-ace.co.jp/
たいていこういう企業ホームページに掲げられている理念なんてものは
そんなに本気を感じませんが、LSDをプレイした後にここを見ると
「この会社、本気だ!」と感じる人も多いのではないのでしょうか。
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【LSDとiPhoneを比較して思う事】
……今、日本の携帯電話市場にはiPhoneが投入され様々な刺激を受けています。
しかし話題性の高さの割には……実際の浸透について難がある状況ではないのでしょうか?

LSDを「ドラクエを超えるRPG!」として販売したらきっと消費者の反発を受けたでしょう。
今iPhoneは携帯電話として広告し販売している節があります。
情報弱者は「ナウでヤングにバカ受けのケータイ」として受け取っているはずです。

世界で何百万台と売れようが、日本市場は日本人の感覚で反応が返ってきます。
イメージ戦略上「ケータイ」とすれば確かに数は売れるでしょう。
「このビックウェーブに乗るしかない」と、メール設定もわからずに買う人もいるでしょう。

そのズレは、目先の販売台数ではよかれとしてもきっと市場に怨念を残すでしょう。

クソゲーとして名高い「たけしの挑戦状」も、ゲームのクソ具合としては
比較的よくあるクソゲーの一つに過ぎませんでした。
しかし、ビートたけしという知名度がその内容にかかわらずに販売台数を押し上げ
二作目(ボードゲームらしい)を作らせるに至ります。

たしかに、タイトーはそれで一時期儲かったでしょう。
しかし、トータルとして見るとはたしてそれがベストの結果だったのでしょうか?

ビートたけしという価値有るアーティストは、あまりにもの「クソ」との声を
散々に浴びたからなのでしょうか……もうゲーム作りに関わっていないようです。
業界は、ひとつの才能を手放してしまったのではないのでしょうか?

攻略本を作った太田出版には問い合わせの電話が多く、ついには
「担当は死にました」という応答までしていたとの事です。


LSDが、良心的かつ適切な販売戦略を取っていた事が
今もアスミックという企業がタイトーよりも目だって活動しているところに
少し、垣間見える気がします。


【ゆめにっきの紹介】
「LSDと似ている」とよく引き合いに出されるゲームがあります。

「ゆめにっき」

LSD発売から5年後にRPGツクールにて「ききやま」さんという方が発表されたゲームです。

画像

このマンホールから地下へいけます。


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自転車の先で瘤を潰すたびに、左のモンスターが吐血します。


プレイするためにはまず
http://www.famitsu.com/freegame/rtp/2003_rtp.html
にて「RPGツクール2003RTP」をインストールし、その後に
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se332192.html
からゲームデータをダウンロード。解凍→起動で愉しんでください。


女の子を操作し、広大な世界を歩き回ります。

「エフェクト」というものを手に入れることが出来、
そのエフェクトを使用すると効果発動、その状態でフィールドを移動できます。

たとえば「ゆきおんな」というエフェクトを使えば
ゆきおんな姿になりつつ画面には雪が降り続けます。

たとえば「なまくび」というエフェクトを使えば生首姿。
おさげの女の子の首をのそのそと操作できます。

画像

この画像は、ゆきを降らせた後になまくびにしてみました。



【ゆめにっきとLSDの相違点】
ゆめにっきがLSDと同類のゲームである理由。

それは、ゲームの操作方法は提示しても遊び方が提示されておらず
プレイヤーが自分で世界を彷徨っていき、その世界自体を愉しむ。
または愉しみ方を自分で創造していく点にあります。

オブジェクト類にアステカやインド的なものが多く、そのビジュアルがゴアトランスを……
また、彩色パターンの艶やかさがサイケデリックを関連付けて想像させ、
その感覚をLSDと結びつけて「似ている」と感じるのも確かにありますが……


似ている本質は、遊び方が提示されていないことです。


ともにドリームエミュレータだから似ている、という結論もありえます。
が……「夢」というあやふやな世界を提示したほうがプレイヤーによる
空想・想像による世界の解釈の幅が広い。

ドリームエミュレーターというシステムが、遊び方を提示しないゲームにとって
定番的に採用されている、ということに過ぎないでしょう。
ゴラゴンクエストY(DQ6)もある意味ドリームエミュレーターといえますが、
当然、ゆめにっきやLSDとは似ても似つかぬ、筋道の用意された硬直ゲームです。


違う点があるとしたら、純粋に規模でしょうか。

やはり、LSDは企業が資金をしっかりかけて作ってある分
大変な深さ・ボリュームがあります。クオリティが半端ではない。


でも、ゆめにっきは主人公が女の子であることが可愛い分
そこが大きなトリガーとなってLSDより受け入れやすい、遊び易い人はいるかもしれませんね。

【実際に遊び方って?】
ストーリーがあり、目的が提示されていれば
表示される画面、鳴音する音楽に意味を初めから見出せます。

しかし、それがないと自分で意味を解釈しなくてはいけません。
それが負担ではなく、そこを愉しむんだという発想で受け止めれば
どんなゲームも、もっともっと楽しくなることでしょう。

例えばゆめにっきを例にすれば

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この赤い大きな顔に突っ込み食われることで別ステージにワープします。


「この赤いのは、もともとは女性か」
「悪魔によりただの異次元ゲート役に縛られ、その意識はもはや狂っているのではないか」
「この人の呪いを解いてやりたいが、この自転車主人公には無力なのか……」
「しょうがない、同人誌で勝手に補完するか」
などとなりませんか?


画像

雨降る中、髪型をおさげからロングヘアーに変更し意味深に
ベットの側で体育すわりをさせてみました。


雨は、心の涙。
背景の怪しい姿は悪意有る男を心象として具現化したもの。

髪型の変更は、意識の切断や切り替えの暗示。
角ばった極彩色の四角いオブジェ群はここが自分の日常とは違う空間であることを。

この少女が、これからこのベットで望まぬ行為を
なんらかの理由で拒否できず、絶望の淵で受け入れ待つ悲しい姿に見えませんでしょうか?

「しょうがない、同人誌で勝手に補完するか」
などとなりませんか?


【ゲームを愉しむ能力を問う】
今、次世代機によって作りこみのよくできたキャラや背景が当たり前になっています。
表面上の作りこみのきっちりさに比例するように世界観もきっちりと作りこまれ
それこそがよいゲームの証左であるといわんばかりの分厚い設定集・攻略本に。

ハードの進化は、かえってプレイヤーの想像力を劣化させているのではないのでしょうか。
いや、ハードの所為ではなくソフトを作る人間。

いや、そういったソフトを作らざるを得ない市場の問題でしょうか。


わからない問題に子供がぶち当たったときに
「先生が教えてくれていない範囲なのでわかりません」ではなく
「わからないけれど、こうかな?こうしてみようかな?」という発想でいて欲しい。

そういう考え方を持つ人間がもっと多くあってほしいのですが、
以前よりもそこらへんは弱まっている現代社会なのか?と。


日本のゆとり教育がフィンランドのような本来の目的に沿った成功を上げていれば
きっとゲームの世界も硬直化が溶け、LSDやゆめにっきのような系統のゲームも
もっと多く開発され、オプーナよりもヒットしていた事でしょう。


世間を嘆いても始まりませんが、この記事を目にしたあなた方には是非にLSDやゆめにっきを
プレイしてもらい、空想の視野を広げる可能性を……さらに追ってもらいたいです。

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