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zoom RSS 今、何故「ざんねんなこ、のんちゃん」なのか

<<   作成日時 : 2008/11/08 17:48   >>

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「ざんねんなこ、のんちゃん」という作品への注目が高まっている。
最近は単行本まで発売されており、需要の高さをひしと感じる。

ここでは「ざんねんなこ、のんちゃん」を紹介しつつ
何故このような人気を獲得するに至ったかを解説していきたい。

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「ざんねんなこ」の魅力にあふれた作品



【蛇足無き、完璧なタイトル】
まず、タイトルが既に素晴らしい。

この本の中身を精錬しエッセンスを抽出して一筋の文字列で表現すると
自然と「ざんねんなこ、のんちゃん」にならざるを得ない。

どの話をどう切り取っても、読者は「嗚呼……ざんねんな子だ……」と嘆息できます。
タイトルと中身の完璧なまでに一致した内容に、漫画人には驚きが大きいでしょう。

一瞬、残念じゃない話がありそうに見えます。
が、それらは全て次に来る残念を大きく引き立てるための踏み台に過ぎないのです。

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一時が万事残念



【ストーリー】
主人公は中学生。本名は「竹ノ内のん」
美少女であり、親の手伝いも出来るし、喜怒哀楽も豊かで、姉妹仲も良い。
しかし、圧倒的な残念さが彼女の真芯を幾度も貫き、精神が少しずつ壊れていきます。

多感な、本来は幸せをいっぱいに浴びるべきはずの女の子が
運命的な残念さで心が病んでいく様。

そんな過程を、読者が客観して追っていく漫画である。


【前向きな部分の良さ】
のんちゃんは、まずは明るい。アグレッシブでさえある。
そして、工夫内省の後に実行がある極めてポジティブな少女と言える。

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真剣に作業し、教師の声も耳に入らないほど真面目なのん


暗くて陰鬱な女も、今の多様化した世間では人気があるかもしれない。

ですが、男の前向きさが大きく失われている現代社会……
のんの活発な行動に世の男性は頼もしさを感じて、
「俺もこんな娘に引っ張られたい」という誘惑に駆られるのです。


【襲い来る残念】
その、のんの明るい気持ちを「残念」が粉々に打ち砕く。
毎回、必ず打ち砕いてゆく。

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かばってやりたいと思えるシーンが多すぎます


その、残念がのんを追い詰める様を、読者はやきもきして見つめる。
「嗚呼!俺がこの場にいたら、こんなくだらない運命は回避してやれるのに!」

ささいな摩擦、不幸なすれ違い。
そんなわずかな何かが原因で、のんは毎回とっても残念な子になる。

その些細な僅かなモノは、多少の勇気でなんとかなる程度のモノ。
自分に自信の無い男でも、簡単に「俺が役に立ってあげれるのに!」と思わせる
本作品は、悪魔的に男の「役立ちたい心」をくすぐる商品だと言える。


【打ちのめされた少女】
少女は救われずに毎回心に傷を残して終わる。
そのうえ、その心の傷は誰にも理解されない。

読者を除いては。

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賢さ・想像力が悪い方面へ働きがちです


さらに離れていく周囲。
さらに心を閉ざしていくのん。

可憐な少女が、理解されずに孤独に傷ついていく。
しかしすべてを知っていて、彼女を癒せる言葉をかけれる人間がいる。

それが、読者なのです。


読者に「作品の中に入って主人公に声をかけたい」と思わせる作品は数あれど
これほどまでに「志村、後ろ!」欲を湧き立たせる作品は稀だ。


【その他の魅力】
上記のような、読者にガチで受ける構造だけではなく、ネタの一つ一つも優秀である。
以下に、少し解説を加える。

▼ゲシュタルト
のんは、自分の「竹ノ内」の竹の字がゲシュタルト崩壊によって書けなくなるシーンがある。
その壊れ方も良いし、中学生の女の子がテスト中にゲシュタルト崩壊という
凄まじいシチュエーションを等身大で描き出しているのも良い。

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高河ゆん作品の「超獣伝説ゲシュタルト」とは関係ありません



▼タピオカ
タピオカを美味しくすするシーンにてTVより蛙の輸卵管関連の番組が流れようとしているが
「そのてにゃひかかりませんよ」と言って、素早く電源を落としている。
普段から繰り返される、猛烈な残念運命を幾度に浴びたが故の保身術が身についていえよう。

しかし彼女に襲い掛かる残念な運命は、この程度の人為的努力では不可避であり
この後、私もしばらくはタピオカを食いたくないほどのシーンが発生する。

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この元気な挙動の裏には、莫大な残念があるのでしょう



▼回転寿司
本作品にて一番残酷にして残念なシーンは回転寿司屋でのとあるいち幕。
下記掲載画像のような幸せな笑顔が、何故木っ端微塵に崩壊するのか。
是非、単行本にて確認していただきたい。

ちなみに私は、この話を読んでからは回転寿司に足を踏み入れたことが無い。

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この笑顔を、くもらせたくはないのですが……



▼のんちゃんだけの世界
この作品は、他のキャラクターについては悉く世界を説明するための背景になっている。
中学時代の回想を行う高校生ののんにとって、すべての学校の記憶は
思い出すのも辛い世界であり、そこにいた他者はオブジェクトに過ぎないのであろう。

のんに、明るい「今」を、「未来」を与えられるものなら与えたいと読者は思ってしまう。

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顔が無いか黒子表現でしか、他のキャラクターは登場しません



▼各話の扉絵
「OL進化論」などがタイトル一枚絵の秀逸さで有名だが
本作品の扉得も、なかなかに魅力的なものである。

「何が、彼女にあったのか?」を考えさせる味わい深いものであり、
単行本にてじっくりと鑑賞して頂きたい部分である。

画像
スク水の上からパンティを履こうとする不自然さと不安定なバランス
それもまた、魅力なのです



▼最期に
この作品は、雑誌の掲載よりも単行本収録・発売が早いという、
「脳Rギュル」のような新しい手法で世間に発表されている。

内容だけではなくリリース方法までもがユニークあり、
「漫画」という文化・現象に興味を持つものとしては避けて通りがたい作品である。

内容の刺激の強さ、のんの感情の崩落が放つあなたへのトラウマフラッシュ。
それらは心の弱い漫画人には受け止めきれないかもしれないが、一度は格闘してもらいたい。

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ざんねんなこ、のんちゃん。 (ヤングチャンピオンコミックス)
秋田書店
吉沢 緑時

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 あれはスク水の下にまだあるパンツを脱ぐという、パンツ大作戦ではないだろうか。
中野
2008/11/08 19:46
作戦か……
どうりで、俺にはわからなかったわけだ。


スク水とパンティの競合でバグを起こしているのかと
デバッグ的に考えてしまったよ。
町田メガネ
2008/11/08 20:05
 男でも挑戦する人の多い、泌尿器などの露出を避けるための着替えテクニックのひとつさ。エクストリーム水着着替えと呼んでもよいだろう。
中野
2008/11/11 05:47
>エクストリーム水着着替え
嗚呼…ちょっと見たいかも。
北京オリンピックに間に合わなかったか…
町田メガネ
2008/11/11 10:58

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